<お話を伺った方>
事務本部 人事企画部長 住田 賢二 様
事務本部 人事企画部 主担 新井 記世 様
※本文中の所属はインタビュー当時

地球科学の視点から、インフラ、防災、環境、エネルギーに関わるソリューションを提供している応用地質株式会社。同社では、毎年事務社員向けの研修を開催していますが、2025年度は「KPIワークショップ」という新たなテーマに取り組みました。定性的な業務が多く、数値化が難しいとされる事務部門において、どのようにKPIの共通認識を醸成したのか。事務本部 人事企画部長 住田 賢二さんおよび事務本部 人事企画部 主担 新井 記世さんに、ワークショップ開催の目的や、成果について伺いました。

施策概要

事務系社員約100名を対象としたオンラインKPIワークショップを開催(120分)

  • 事前ワーク:自己紹介シートを記入
  • 講義と実践:中尾隆一郎氏著書「KPIマネジメント」に基づく講義に加え、チームタクトで「身近なテーマ」「自部門のテーマ」でのKPI設定を実践。
    その後の実務での運用方法(G-POP)をセットで学ぶ。
  • 事後課題:実務での運用を見据えたG-POPシート(振り返り)の記入。

チームタクトを活用してアウトプットをリアルタイムで共有し、相互に「いいね」やコメントを送り合うなど「学び合い」を実現

事務部門へのKPI浸透。「数値化しにくい」壁をどう乗り越えるか

事務部門の社員を対象にKPIワークショップを行おうと考えた背景、実施前の課題を教えてください。

住田:毎年、グループ会社の事務系職員の方にも参加してもらい事務研修会を実施しているのですが、今年度のテーマを検討する中で、社員がKPIを体系的に学んでいないことに気付いたことがきっかけです。

これまでも事業部単位では、年間の事業計画の中でKGIやKPIを記入するフォーマットはありましたが、管理職はKPIを理解していても、一般社員には浸透していませんでした。

また、事務部門の業務は定性的なものが多く目標を数字にしづらく、目標管理は行っているものの、目標の立て方が難しいという課題がありました。

そんな中で、コードタクト社が中尾隆一郎氏(中尾マネジメント研究所)と繋がりがあったことから、同氏のメソッドを取り入れたチームタクトでのKPIワークショップの開催をお願いすることにしました。

講義を聞くだけでなく、チームタクトを使ってアウトプットしてみていかがでしたか?

住田:講義を聞いて「分かりました」で終わってしまうと、日常業務にどう活かすかが曖昧になります。KPIを設定する以上、目標に向かって活動していく必要があります。そのため、研修の場で実際に手を動かして体験することに意義があると考えました。

実は、当初は「当社の文化に合うだろうか」という不安もありました。しかし、提案時に、「正解が無い問いには、他者からの学びを“TTPS(:徹底的にパクって進化させる)”ことが重要である」という助言をいただき、他者との学び合いに適したチームタクトを試してみることにしました。

これまでの研修でもグループワークを行っていましたが、その場で意見を出し合って終わり、記録も活用されないことが多かったのですがチームタクトなら、その場で終わらせない仕組みが作れます。理解を深め、継続的な学習につなげるには最適なツールだと感じました。

KPI設定を自分で実践することで「ゴールへのプロセス」が見えた

ワークショップを実施してみて、どのような点を良いと感じましたか?

住田:最大の成果はKPIについての共通認識ができたことです。以前はそれぞれが漠然としたイメージしか持っていませんでしたが、今は全員が同じ言葉でKPIを説明できる状態になったと思います。

これまでゴール(目標)は毎年設定していましたが、それをKPIに落としていく手順が曖昧でした。今回のワークショップを通じて、ゴールに至るまでのプロセスをつくることが重要だと気づけた点は大きかったです。どこが一番重要で、どこを数字にすれば良いかが分かれば、事務部門でもKPIを立てられるという感覚を持てました。

KPIワークショップでの用語の整理

新井:講義内容も仕事だけではなく、「ダイエット」など身近なテーマを題材に取り掛かれたので、イメージしやすかったのではないでしょうか。いきなり業務のKPIと言われるとハードルが高いですが、身近なテーマで考えることで「自分にも書けそうだ」と前向きに取り組めていました。

住田:結果として、KPIが「身近なものになった」という実感はありました。

身近なテーマでKPI設定プロセスを体感

講義を聞くだけでなく、実際にチームタクトに書き出してみたことで社員の理解度の差も可視化されました。すぐに理解して書ける人もいれば、なかなか書けない人、書いてはみたけど少し違う人がいることが分かりました。KPIシートを論理的に書けている人は、普段の仕事でも問題点を放置せず、適切に報告・連絡ができる傾向があります。逆に、目立たないけれど実は論理的思考力が高い人材の発見にもつながりました。

論理的に書けていない方へのフォローはどのように行っていましたか?

新井:グループごとに取り組んでもらったので、事務局が介入せずとも、グループ内で自然と教え合い、確認し合う様子が見られました。まさに「学び合い」が機能していました。

KPIの設定シートとその目標に向かう日々の活動を振り返るG-POPシート

「KPIの理解が深まる」「学び合いで新たな視点の獲得」参加者全員が研修に満足

ワークショップ実施後の、受講者の反応や感想はどのようなものがありましたか?

新井:アンケートでは、非常に好評でした。

住田:KPIそのものに触れたことがない人も多数いた中で、100%が「とても満足」または「満足」と回答しています。通常、研修アンケートでは一定数のネガティブな意見が出るものですが、今回はそれはありませんでした。

新井:自由記述でも、ポジティブな回答が多く寄せられました。

「馴染みのなかったKPIの概念や用語について、講師の分かりやすい説明で理解が深まった点を高く評価している。とくに、これまで漠然と捉えていたKGI・KSF(Key Success Factor。中尾マネジメント研究所のCFSと同定義)・KPIの関係性が整理できた」
「自分事としてKPIを設定するワークを通じて、概念の理解が定着した」
「身近なテーマ設定が取り組みやすさに繋がり、業務への応用イメージを持つきっかけとなった。」
「他の参加者のKPI設定や意見を見聞きすることが、自身の学びを深める上で非常に有益だった。多様な視点に触れることで、新たな気づきや実践のヒントを得られた」
「KPIを設定して終わりではなく、G-POPを用いた毎週の振り返りという継続的な運用方法を学べた点に価値を感じた」

全体として、チームタクトを活用したことで、単なる知識習得だけでなく、他者の視点を取り入れる「相互学習」の効果が高かったことが分かります。

KPIの設定後に重要な日々の振り返り(G-POP)

「今後の仕事に役立つか」についても、評価が高いですね。

住田:そうですね、年間目標のような大きな話ではなく、日々の身近な業務の中で「何を指標にすればいいのか」「どのようなプロセスで考えればいいのか」という考え方が分かったというのは大きいと思います。今後、使える場面が想像できたのではないでしょうか。

事後課題の提出率も高かったと伺っています。

住田:事後課題は研修の1週間後に、設定したKPIに対してどのように行動したかをG-POPシートに記入してもらいましたが、約8割の人が提出してくれました。日々の業務の中で「何を指標にし、どういうプロセスで考えるか」という思考の型を学べたことは、今後の業務に大きく役立つはずです。

2時間で3回のアウトプット。リアルタイム共有が密度を高める

チームタクトを使ったことで、どのような点が良かったと思いますか?

住田:アウトプットとフィードバックの実践量と質を実現できたことです。今回は事前課題も含めて、3回アウトプットしてもらいました。2時間の研修で、「書く・共有する・他者の意見を聞く」という流れを3回行うのはかなりハードですが、チームタクトならリアルタイムで見やすくスムーズな進行でした。もし使っていなければ、これだけのアウトプット量は確保できなかったでしょう。

ワーク状況が見やすいチームタクトの一覧

同時にグループ以外のメンバーのシートも見ることができるため、インプットの量も増えます。

アンケートでもほとんどの参加者が「学び合いに有効」と回答しています。グループ以外の人同士も「いいね」のリアクションをしていました。最初はコメントはあまりなかったのですが、当日のワークが進むにつれて、少しずつコメントが入るようになってきて、事後ワークではさらに増えていました。どんどん全体のコミュニケーション密度が上がっていった印象です。

新井:事前課題だった自己紹介シートの共有なども含めて、社員同士の特性や興味関心の相互理解が進みました。「いいね」やコメントを通して、他部署や他拠点の社員との新たなつながりを形成する機会となりました。これにより、業務上のハードルが下がり、連携がスムーズになる副次的な効果も期待しています。ひいては、エンゲージメント向上にも繋がりそうですね。

住田:研修後も振り返りが可能な仕組みもいいですね。アウトプットの方法として、今までは研修中に発表したら終わりでしたがチームタクトを使うことで、研修後も、お互いに見てコメントし合っていました。

新井:事務局としては直観的で使いやすいUIだったのも助かりました。参加者から使い方に関する問い合わせもなく、スムーズに実施できました。丁寧なマニュアルもあり、サポート体制も整っていたので100名規模でも安心して使えました。

サポート体制についてはいかがでしたか?

新井:準備期間が約1ヶ月と短かったのですが、スムーズに実施できたのはコードタクトさんの手厚いサポートのおかげです。100名以上の参加者が事前に自己紹介シートを記入する時間を確保できたのも、スケジュール管理や素材提供などの的確なご支援があったからです。細やかな対応に感謝しています。

目標管理制度や新入社員研修への導入も視野に

今回の成果を、今後どのように現場へ定着させていく予定ですか?

住田:KPIの定着は一朝一夕にはいきませんが、現状運用している目標管理の制度にも組み込んでいけるといいですね。KGI・KPIの構造で考えた方が、目標も立てやすいし、理解もしやすいと思っています。「部長が言っている戦略って、KPIで書くとこうなるよね」というように、繋がって理解できるようになるのではないでしょうか。少しずつKPI思考を広げ、組織文化を変えていきたいですね。

新井:事後課題を提出した方の中から、継続的に使えそうだという意見も出ています。まずは新入社員研修など、導入しやすいところから検討していきたいと思います。

多拠点・大人数のオンライン研修こそ、チームタクトが活きる

KPIワークショップおよびチームタクトをどのような組織におすすめしたいと思いますか?

住田:KPIの導入として、とても分かりやすいワークショップでした。一般社員にKPIが浸透していない企業には、理解を深め、共通認識を醸成するために非常に有効だと思います。

チームタクトは、「双方向性のあるオンライン研修」を求めている企業に最適です。特に、研修に双方向性を求めている企業や人事担当者には、短時間でアウトプットを共有できる点で非常に魅力的でしょう。

また、研修後も「行動目標の設定」や「振り返り」のプラットフォームとして活用できるため、研修の効果を一過性で終わらせたくない人事担当者におすすめします。

新井:今回のように、拠点が全国に分かれていて、普段はなかなか顔を合わせない人たちが一緒に研修を受ける場合にも一体感のある研修を実現できるツールです。

自分のグループだけでなく全員のアウトプットが見えることは、大きなメリットです。そこから、「こんな考え方があるんだ」「これは使えそうだな」といった発見が生まれますよね。お互いの考えや人となりも見えるので、コミュニケーションツールとしても非常に有効だと思います。